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2012/07/11

野田政権の冷酷さ

 野田佳彦首相と彼に追随する「政治家」と称する人々、および彼・彼女らをサポートする財務省をはじめとする高級官僚、さらには彼・彼女らを熱烈に応援する財界人は、おそらく人類史的に見ても、その血も涙もない冷酷さにおいて、五本の指に入るであろう。

 まず第一に、東京電力福島第一原発事故が起きて以降も原発再稼働を主導したことである。首相官邸を包囲する国民の声を一顧だにしないのは、人間という名の生き物の資格すら問われるというべきであろう。想像力どころか命の尊さにすら思いが及ばない「クリーチャー」に政治を任せておけないのは必定である。

 第二に、貧困の格差拡大を放置しておきながら、さらにそれを拡大させようとしていることである。消費税増税しかり、生活保護攻撃しかり。生活保護が無駄遣いというのは財界そのままの言い分で、要するに、大金持ちが自らの資産を取り崩したくないだけのことである。その大金持ちの資産たるや、大量の労働者を首切りし、「社員」「営業マン」をこき使って蓄えたカネである。つい最近もIT企業の社員が過労死させられた、いや事実上、働かされすぎによって殺された実例がある。日本の経済成長を支えてきたのは、資本家ではなくて労働者である。労働者をいじめて、何が「成長戦略」であろうか。

 第三に、TPP(環太平洋経済連携協定)および米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ配備に見られるように、アメリカ政府への屈辱的なまでの隷属である。TPPは、農業のみならず、食料、医療をはじめ商業、工業にいたるまで日本経済の姿、形を完膚なきまでにアメリカ政府の統制下においてしまうものである。日本のJA、医師会がTPPに反対しているのは、「日経」「読売」「朝日」「毎日」などの愚かなマスコミがいうような自己保身ではない。今でも日本の首都をはじめ沖縄や全国各地に米軍基地が居座る日本が、軍事的にも経済的にも完全にアメリカの植民地になってしまうからである。植民地がどれほどの屈辱的な仕打ちを受けるかは、歴史を見れば明らかであろう。墜落事故や緊急着陸を繰り返すオスプレイ配備を断固として拒絶できない野田政権の姿は、「独立国」のそれではない。オスプレイ配備と訓練飛行に反対しているのは、いまや沖縄県知事、山口県知事、岩国市長だけではない。

 では、なぜこのような冷酷な野田政権が登場するに至ったか? この冷酷さは、裏を返せば、日本政府を事実上コントロールする財界やアメリカが、その支配を単純に持続させることができなくなっているからである。

 いままで国民をだまし続けてきた自民党、公明党の不振、および民主党の分裂、破綻。その最たるものが、これまで秘密にされてきた政府情報の流通である。人は、いままで隠されてきたことを知り、生存を脅かされるほど、だまされてきた事実を知れば、現状を変えようとする。原発の「安全神話」も、財界と政府が国民につき続けてきたウソの最たるものである。

 誰も自らの生命を危険に陥れる者に寛容である必要はない。人類史的にも、正当防衛というものは、認められている。抵抗権はある。しかし権力は、自らの言うことを聞かない人間に暴力でもって対処する。それは、関西電力大飯原発の門前の例を引くまでもなく、日米安保条約をめぐるたたかいなどでも明らかである。日本国民の中にある民主主義的意識、つまり本当の「人民主権」を恐れているからである。アメリカ政府は、常に日本人が「反米」「嫌米」にならぬように注意を払っているようでありながら、オスプレイ配備を強行しようとする。欠陥機を量産してしまったボーイング社への「配慮」ばかりが先行しているありさまである。

 大金持ちの利益追求を優先させる者らの集合体が、野田政権の本質である。

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