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2010/12/03

映画「ヤマト」

 映画「ヤマト」(スペースバトルシップ…省略)は、実にくだらなかった。けなすだけの感想というのは、下の下なのだが、何がくだらなかったかを書き残しておきたいので、そうさせてもらいます。

 まあ、このような映画に期待する方がおかしいし、エンターテインメント映画なのだから、めくじらたてて怒らなくてもよいのだが、古代進役の木村拓哉の演技が鼻について、見られたもんではなかった。時折、思いだし笑いのように吹き出す演技は、まったくもって意味不明。シリアスなドラマにしたいのか、コメディーにしたいのか。他のドラマで見せる表現術と変わらない。捲土重来を願う。

 沈着冷静の舵取り、島大介(演じたのは緒形直人、いい役者さん)もアニメと違う性格になっていて、残念無念。医者の佐渡酒造役は、これじゃあ日本酒のCMじゃないかと噴飯ものの高島礼子。アニメと違う役柄の森雪に扮する黒木メイサも、最初は古代に突っかかっていい味を出していたのに、だんだん女々しくなっていくところが幻滅。そのうえスキーウエアまがいの服装で、大幻滅。松本零士の描くキャラクターが登場する「宇宙戦艦ヤマト」とは、まったく別物に仕上がっている映画である。あーあ、さらば~、ヤマトよ~(替え歌で)

 映画の冒頭部分は、意表をついてよかった。合格点は、アナライザー(声がアニメと一緒で、後半の場面で、とても格好いい!)、真田志郎役の柳葉敏郎と機関長の徳川彦左衛門役の西田敏之だけ。ただし、セリフが少なかったからね。デスラー総統にも期待していたのだが、いまだ評価が難しい。既視感のあるSFのB級映画というのが、正直なところである。

 苦情をさらに言わせてもらえば、艦長・沖田十三役の山崎努と地球防衛軍司令長官の藤堂役の橋爪功の猿芝居も「なんとかしてくれー」と叫びたい気持ち。いや、ひょっとして、あれはあれで観客を笑わそうとしていたのか。棒読みのようなセリフの場面があって、名優たちの大根役者ぶりを堪能させてもらった。沖田役の山崎努は、酒を観賞植物に流しこんだり、口をもぐもぐさせたり、ガリッといわせたりして、不思議な芝居。あれは、トローチをガリガリ噛んでいたのではないのかな? 死にそうになって、ベッドで大事そうに持っていたのはトローチの空き容器というか、プラスチックとアルミでできたシートのお馴染みのものだった。

 映画で、科学の進歩というものも体感させてもらえなかったのも、誠に残念。映画関係者の苦労とは関係なく、見る者にとっては、この程度の進歩しかしていないのかなと疑問に感じる点も多々あった。SF映画の難しさであろう。映画のつくり手が何を描こうとしているのかに制約される面もあるだろう。SF映画の枠組みをしっかりと位置付けて「ヤマト」を製作していただきたかった。

 この落胆のさせ方は、政治の世界とよく似ている。その意味で、映画「ヤマト」は日本を象徴している。

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