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2009/02/27

グローバル・ポストの報道から

 最近、翻訳に勤しみはじめた。というか、英語が全然うまくならないのに業を煮やして、少しずつ再学習。そこで、政治的な意図をこめて、ある海外ニュースウェブサイトの記事を訳してみた。政治的な意図とは、原文にないところを補って「訳して」いるという意味。
 ちなみに、グローバル・ポストの記事は、Internet Zoneというおすすめブログに「共産主義出る国」という見出しで、うまく訳されている。

  「経済悪化と無能なる政府、ベストセラー小説に影響されて日本の若者は共産主義に集う」(海外ニュースウェブサイト「グローバル・ポスト」2月24日付、ギャビン・ブレア記者)

 土曜夜の東京で、23歳の青年の多くが考えるパーティーといえば、キリンビールとビートのきいた音楽のあるパーティーのことだろう。
 ところが、(パーティーはパーティーでも23歳の)若林やすひさは、緑茶をちびちび飲みながら、なぜ日本共産党(JCP)というパーティーに入党したかを語りはじめたのだった。「資本主義にも長所があるし、僕は、それを完全に壊してしまいたいとは思わない。でも、人生のスタートは平等であるべきだし、教育と医療も無料であるべきだ。それは(生活の)基本中の基本です」と横浜の労働者階級の住む地域、綱島の党事務所で若林は言う。
 若林は、小さいながらも、若い新入党者を集め続けている日本共産党の一青年党員だ。共産党は、十年ほど党員数が減っていたのだが、このところ連続15カ月も党員を増やし続けている。2007年以来、1万4000人の党員が増えたという。
 党員が増える主な要因として、日本経済の悪化がある。 かつての日本人労働者の終身雇用保障と潤沢な企業年金は、いまでは単なる過去の記憶にすぎない。世界経済の低迷の中で、何十万人もの派遣労働者が解雇され続けている。
 当然のように、日本共産党は、こうした政治的な機会に張り切っているようだ。「1999年に労働者派遣法が改悪され、現在の大量首切りの状況を招くことになりました」と植木俊雄(日本共産党の広報部長)は言う。「共産党は、労働者派遣法の改悪に反対した唯一の政党です」

 大昔のマルクスの「共産党宣言」と他の政治論文への反響がつづくなか、日本共産党の最近の躍進は、人気のある一冊の本によっても支えられている。
 それは、小林多喜二が書いた「蟹工船」(Crab Cannery Ship)で、日本で大ヒットしている。この1929年のマルクス主義小説は、食品産業従事者の過酷さを描く物語としては、アプトン・シンクレアの小説「ジャングル」の日本版といえよう。 昨年、「蟹工船」は、55万9000部も売れた。(「蟹工船」の文庫本を出している)新潮社によると、売り上げは依然として好調で、今年後半に公開するため、映画化が計画されている。
 「『蟹工船』は今日、同じ条件で働いている多くの若者の気持ちを代弁している」と、大型機械の製作工場で働く若林は言う。
 さて、もちろん、(日本には)自由民主党という(政権を担う)政党があるのだが、現在、10%ほどの支持率しかないような低迷を続けている。
 「この国の政府は全く市民の声を聞こうとしない」と、若林は言う。「国会で日本共産党議員が発言するのを聞くと、それは国民の声として聞こえるんです」
 そう評価するのは、彼一人だけではない。国会質問というのは、ウェブビデオの世界では、ほとんど(誰も見たいとは思わない)ウイルスのような代物なのだが、日本共産党の志位和夫委員長がパートタイムと派遣労働者対策で麻生太郎首相と舛添要一厚労相を追及した2008年のビデオ・クリップは日本の動画配信サイト、ユーチューブとニコニコ動画で10万回以上も視聴されたのだ。
 より若い党員を引き付けようとして、日本共産党は今、自身のユーチューブチャンネルを持ち、ニコニコ動画には1万2000以上のコメントが書き込まれ、その大部分が支持を表明している。

 しかし、最近の日本共産党の復活を前提に考えたとしても、共産党が日本の国政の一大勢力になるといえるだろうか? それは皆目わからない。
 「次の総選挙で自民党が負けた場合、他の政党が政権に共産党を誘うことは考えにくい。彼らは党名を変えるべきだと思う」と、(元産経新聞記者で政治学者の)小山貴(秋田県にある公立大学法人・国際教養大学客員教授)は言う。
 とはいえ、新入党員の若林は希望に満ちている。「もし共産党が議席を伸ばせば、共産党が政権に加わるチャンスがないといえないでしょう」。彼は言う。「僕と同年齢の多くの友人(正規雇用の人たちも)が、給料が減らされるのを目の当たりにして、家の外に出かけなくなったし、節約するようになった。僕は、会社のロボットとして働くために生まれてきたわけでもないし、そんな生き方はしたくない」
 この若い共産主義者は、次のような明るい未来を展望しているそうだ。「僕たちは(ソ連型の)『共産主義』の崩壊を見たし、今、資本主義の崩壊が見えてきています。きっと、それらの間のどこかに、私たちが探究すべき、より穏やかな道があるに違いないのです」

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